ゲームと音響ブランドのコラボイヤホンは数あれど、今回紹介する 鳴潮 × MOONDROP「U.C.T.S.」 は一線を画す本気のコラボ製品です。
MOONDROPがカスタムSoCまで独自開発した完全新設計モデル。13mmスーパーファイバー木製振動板ダイナミックドライバー+平面磁気マイクロリングツイーターのデュアル同軸構成は、コラボ品とは思えないハイスペックです。ゲーム内のひょうたん型デバイスをモチーフにした本体ケースや8種の漂泊者の音声ガイダンスにより、世界観への没入感もしっかり演出されています。
スペック
- 製品名
- U.C.T.S. 鳴潮 × MOONDROP
- 形状
- 完全ワイヤレス(TWS)イヤーカフ型
- ドライバー構成
- 13mm スーパーファイバー木製振動板 ダイナミックドライバー
平面磁気マイクロリングツイーター(デュアル同軸) - カスタムSoC
- MOONDROP TWS-01(22nmプロセス)
- 対応コーデック
- SBC / AAC / LC3 / LHDC V(最大192kHz/24bit)
- Bluetoothプロファイル
- A2DP / AVRCP / HFP / HSP
- ゲームモード遅延
- 55ms
- マルチポイント接続
- 対応
- AIノイズキャンセリング
- 対応(通話)
- バッテリー容量
- イヤホン: 40mAh(3.7V) / ケース: 300mAh(3.7V)
- 連続再生時間
- イヤホン単体: 最大9時間 / ケース併用: 最大30.5時間
- 充電端子
- USB-C
- 充電ケース
- 4磁石制御・回転ヒンジ式
- 価格
- ¥10,800(税込)
注目ポイント
POINT 01
デュアル同軸ドライバー
13mmスーパーファイバー木製振動板ダイナミックドライバーと平面磁気マイクロリングツイーターを同軸配置し、低域から高域まで位相のそろったサウンドを実現しています。コラボ品にありがちな「見た目だけ」ではなく、音質面でも本気の作り込みがされている点が際立ちます。
POINT 02
LHDC V / LC3 対応
Bluetooth接続でもハイレゾ相当の高品質伝送が可能なLHDC V、そして次世代標準コーデックのLC3に対応しています。SBCやAACのみの製品と比べて音の情報量と空気感が大きく異なります。各コーデックの詳細は後述の解説セクションを参照してください。
POINT 03
漂泊者ボイスガイダンス
漂泊者のオリジナルボイスでイヤホン操作をナビゲートします。専用アプリから男性・女性ボイスを切り替えられます。電源ON/OFF・接続・バッテリー残量など、日常操作のたびに世界観を感じられる仕上がりになっています。
POINT 04
アプリ連携
専用のMOONDROPアプリに対応し、EQ調整や漂泊者ボイスの男女切替が可能です。
POINT 05
ひょうたん型デバイスをモチーフにしたデザイン
ゲーム内のひょうたん型デバイスをモチーフにしたデザインで、再現度が非常に高いです。充電ケースも4磁石制御の回転ヒンジを採用し、音痕やゲーム内フォントによるデザインなどが施されています。同梱グッズも漂泊者(男女)両対応で、ファンアイテムとしての完成度も申し分ありません。
同梱物


パッケージには以下が同梱されています。
- U.C.T.S. イヤホン本体
- 充電ケース
- USB-C 充電ケーブル
- 取扱説明書・装着ガイドカード
- コラボ専用ストラップ
- コラボ専用缶バッジ(男/女)
- コラボ限定レーザーチケット(男/女)
- アフターサービスカード
使用感
#装着感
イヤーカフ型のため耳穴には挿入しません。エッジレスデザインが採用されており耳につけている感じがあまりありません。耳を挟む力もとても軽く、長時間の使用でも快適です。
#音質
実際に聴いてみると、低音の強いチューニングが第一印象として際立ちます。重低音に厚みがあり、ゲームサウンドや迫力のある楽曲との相性がよいです。この低域の豊かさが空間の広がりや臨場感を演出しており、鳴潮のBGMやゲームの効果音がより没入感のある形で聴こえます。オープンイヤーの製品ですが、LHDC V対応機器と組み合わせることでワイヤレスイヤホンとしてクオリティの高い音を楽しむことができます。
#タッチ操作
イヤホン本体に触れるとピッという確認音が鳴る仕様になっており、操作が受け付けられたかどうかを直感的に把握できます。誤操作に気付きやすく、使い勝手がよいです。個人的に評価の高いポイントです。
#音漏れ
ダイポール型指向性音伝送技術を採用しており、イヤーカフ型の弱点とされる音漏れを大幅に抑制しています。開放型構造でありながら周囲への音漏れを最小限に抑える設計で、屋外や公共の場でも安心して使いやすくなっています。
#AIノイズキャンセリング(通話)
通話時にはAIノイズキャンセリングが機能し、周囲の環境音を低減しながら声を明瞭に届けます。ゲーム中のボイスチャットはもちろん、日常の通話でもクリアな音質を確保できます。
#通信安定性
自社設計・開発の全方位最適化FPCアンテナを採用しており、Bluetooth接続の安定性が向上しています。装着角度や環境に左右されにくい安定した受信性能により、音切れや遅延の少ない快適なリスニング体験を実現しています。
コーデック解説
U.C.T.S.はSBC・AACに加えてLC3とLHDC Vという2つの高音質コーデックに対応しています。それぞれ方向性が異なるので、簡単に解説します。
#LHDC V
LHDC(Lossless HD Codec) は中国のSavitech社が開発したBluetooth高音質コーデックで、Hi-Res Audio Wireless認証を取得しています。U.C.T.S.が対応するのはその第5世代にあたるLHDC Vです。
最大ビットレートは1000kbps、最大解像度は192kHz/24bit。広く知られるLDACが最大990kbps/96kHz/24bitであることと比べると、解像度の上限でLHDC Vが一歩リードしています。また同じ高音質を維持しながらLDACより遅延が少ない傾向があるとされており、ゲームや動画視聴との相性も考慮されています。
ただし恩恵を受けるにはLHDC対応の再生デバイスが必要です。Androidスマートフォンの一部機種(主にQualcommチップ搭載機)やLHDC対応DAPが対象で、iPhoneでは利用できません。非対応デバイスでは自動的にSBC/AACにフォールバックします。
#LC3
LC3(Low Complexity Communication Codec) はBluetooth 5.2から導入された Bluetooth LE Audio の標準コーデックです。従来のSBCと比べて同等以上の音質をより少ないデータ量で実現できるのが特徴で、低遅延・省電力も強みです。
LHDC Vが高ビットレートによる"量"の伝送を重視するのに対し、LC3は効率的な符号化による"質"の向上を目指した設計です。また、Auracastのような次世代Bluetooth機能(複数デバイスへのブロードキャスト配信など)の基盤にもなっており、今後のBluetooth規格の中心に位置づけられています。現時点ではLC3対応デバイスはまだ限られますが、Bluetooth LE Audio普及とともに対応機種は増えていく見通しです。
アプリ
MOONDROPの専用アプリ(App Store / Google Play で無料配信)と連携することで、U.C.T.S.の機能を最大限に引き出せます。



#EQとサウンドチューニング
グラフィックEQで各帯域を細かく調整できます。デフォルトの低域強調チューニングが好みに合わない場合でも、フラットに近い設定に変えることで全体のバランスをコントロールできます。
#コミュニティプリセット共有
特徴的なのはコミュニティによるプリセット共有機能です。他のユーザーが作成・公開したEQプリセットをそのまま読み込めるため、自分でゼロからチューニングしなくても好みのサウンドをすぐに試せます。
#漂泊者ボイスの切替
アプリから漂泊者の男女ボイスをワンタップで切り替えられます。電源ON/OFF・接続通知・バッテリー残量など8種類の場面で対応するボイスが再生され、世界観への没入感を高めてくれます。
#その他の機能
- バッテリー残量の確認(左右個別表示)
- ファームウェアアップデート
Pill との比較
MOONDROPにはU.C.T.S.と同じイヤーカフ型のPillがあります。どちらを選ぶか迷う方向けに、主な違いをまとめます。
| U.C.T.S. | Pill | |
|---|---|---|
| ドライバー | DD 13mm + 平面磁気ツイーター(デュアル同軸) | 16mm 平面磁気ドライバー(シングル) |
| コーデック | SBC / AAC / LC3 / LHDC V | SBC / AAC |
| ゲームモード | 55ms | なし |
| サウンド傾向 | 低域寄り・迫力重視 | ニュートラル・フラット寄り |
| ボイスガイダンス | 漂泊者(男女切替) | 標準 |
| 価格 | ¥10,800 | ¥6,750 |
音楽をフラットに楽しみたい・コラボ要素は不要という方には Pill が向いています。一方でゲームサウンドや迫力のある低音重視、LHDC Vによる高ビットレート伝送、世界観への没入感まで求めるなら U.C.T.S. の優位性は明確です。価格差は約¥4,050ですが、コーデックの差・デュアルドライバー・コラボ要素を考えると、鳴潮プレイヤーにとってはU.C.T.S.を選ばない理由を探す方が難しいでしょう。
まとめ
GOOD
ひょうたん型デバイスをモチーフにした高完成度デザインゲーム内アイテムの再現度が高く、普通にかっこいい。グッズも男女漂泊者両対応で抜かりない
本格的なデュアル同軸ドライバー13mm木製振動板×平面磁気ツイーターのデュアル同軸ドライバーで、コラボ品らしからぬ音質
LHDC V対応でハイレゾ伝送Bluetooth接続でも192kHz/24bitの高音質コーデックに対応
タッチ操作の確認音が便利触れるとピッと音が鳴るので誤操作に気づきやすく、使い勝手がよい
アプリのプリセット共有機能MOONDROPアプリからコミュニティのEQプリセットを試せる。自分好みのサウンドを手軽に探せる
漂泊者ボイスガイダンスの完成度漂泊者オリジナルの8種ボイスで世界観への没入感が高い
気になる点
騒がしい環境では聞き取りにくい開放型構造のため外音が入りやすく、騒音の多い場所では音楽や通話が聞こえづらくなることがある
LHDC Vはデバイス依存AndroidかつLHDC対応機器でないとハイレゾ伝送の恩恵を受けられない
「U.C.T.S.」は、単なるコラボグッズの域を大きく超えた製品です。MOONDROPがカスタムSoCまで独自開発して臨んだ本気の設計は、¥10,800という価格帯では他に選択肢がほぼ見当たらないレベルの完成度に仕上がっています。
ゲーム内のひょうたん型デバイスを忠実に再現したビジュアル、低域に厚みのある迫力のサウンド、コミュニティプリセットが使えるアプリ連携、そして漂泊者の声で操作をナビゲートしてくれる没入感――どれをとっても「コラボ品だから妥協している」という印象はまったくありません。
鳴潮プレイヤーであれば迷わず手に取って欲しい一台ですし、MOONDROPのイヤーカフ型に興味があるオーディオファンにとっても十分に検討する価値があります。
鳴潮について
鳴潮(めいちょう / Wuthering Waves) は、KURO GAMESが開発・運営するオープンワールドアクションRPGです。2024年のリリース以来、世界累計3,000万ダウンロードを突破し、APAC(アジア太平洋)地域のベストモバイルゲーム2024を受賞するなど、世界規模で高い評価を受けています。
「ジャスト回避」や「パリィ」を駆使するハイスピードなアクション戦闘と広大なフィールド探索が特徴で、PC(Steam版)の大型アップデート時には同時接続者数が4万人を超えるほどの根強い人気を誇ります。また「音」や「周波数」が物語の根幹に深く関わる独特の世界観を持ち、BGMのクオリティの高さでも知られています。今回のMOONDROPとのコラボは、その音の世界観を現実のプロダクトとして体験できる貴重な試みです。
MOONDROPについて
MOONDROP(水月雨 / みづきあめ) は2015年に中国・成都で設立されたオーディオブランドです。2019年には日本法人が設立されています。独自の音響研究所を持ち、科学的な測定データに基づいた「原音に忠実で透き通るようなサウンド」にこだわる姿勢が、ポータブルオーディオ市場で「Chifi(チャイナ・ハイファイ)」の代表格として世界的な信頼を獲得しています。
イヤホンマニアも唸る高音質でありながら優れたコストパフォーマンスを両立しており、有線イヤホンからTWSイヤホン・ヘッドホンまで幅広いラインナップを展開しています。また、パッケージに描かれる美麗な公式美少女キャラクターがアイコンとなっており、ガジェットファンやアニメファンから絶大な支持を集めています。U.C.T.S.のようにカスタムSoCまで独自開発してコラボに臨む姿勢は、まさにMOONDROPらしい本気の仕事といえます。
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